2010年03月07日

タクシー王子 川鍋一朗

 川鍋一朗さんの講演を聞いてきた。

 日本最大のタクシー・ハイヤー業者である日本交通の三代目社長となる運命を背負って生まれ、ノースウェスタン大学でMBAを取った後はマッキンゼーで武者修行し、家業を継いでからはコンサルのノウハウを生かした経営改革で話題を読んだ「タクシー王子」である。
 ネットを検索すると、一部では非難もあるが、それはどこの世界でも目立つ存在に対して向けられるものであり、賛否両論あるというくらいに受け止めておけば良いと思う。

 1時間ほどの講演だったが、自ら「頭でっかちなコンサルタントが実業に取り組んで始めて理解した」と表現された、苦労と喜びを聞かせてもらえた。繰り返し、「考える」より考えたことを「実行する」方がずっと難しいと仰っていたが、短い言葉でありながらも実感のこもったトーンから、重みが伝わってくるような気がした。
 ベンチャーキャピタリストは、ベンチャー企業に投資した後、その投資先企業のコンサルタントとしての役割も果たす。現場を知らず(十分に理解せず)に机上の空論を展開してしまわないよう、自分も気をつけねばならないと身が引き締まる思いであった。

 「タクシー王子、東京を往く」という本も出版されているが、川鍋さんは、現場を知るため、1カ月、タクシードライバーとして働いたことがある。その時、「万が一、事故を起こして社長が死んだらどうする」とか、「道路交通法違反で捕まったら、マスコミから格好の的にされる」とか、「他のドライバーより低い売上しか上げられなかったら、示しがつかない」とか、案の定、周囲からはいろいろ反対意見が出たそうだ。この反対を押し切って、遂行した川鍋さんは立派だと思う。なぜなら、矢面に立ったからだ。
 この話を聞いていて、同じく創業家の出でありながら社長に就いた、トヨタの豊田社長のことが頭をよぎった。

 一般的に、創業者以外の創業家出身者が社長にいるのは小さな会社で、ある程度大きな会社(特に上場企業)になると、創業家出身者は社長どころか経営陣にも入らずに大株主として残ることを選択することが多い。社内にいたとしても社長ではなくせいぜい取締役の一員を務めるだけに留めるような選択をする。理由は明白で、非難の的になりやすいからだ。
 企業の経営はいろんな要素が複雑に絡み、予期せぬ出来事も起こる。極めて優秀な経営者と呼ばれた人でさえ、金融危機のような不可抗力で業績を落とし、失脚することがある。経営者が創業家出身者の場合は、本人に実力があろうとなかろうと、「創業家の出身だから社長になれたんだ」という嫉妬による非難を受けやすいこともあって、創業家出身者でない経営者の何倍もの非難を受けることになる。一方で、そのくらい大きな企業の創業家であれば、働かなくても生きていけるだけの資産を持っているので、わざわざそんな非難を浴びるリスクを取って、目立つ立場になろうとしないわけだ。もちろん、サントリーのようなケースもあるが、かなり稀である。

 今、トヨタの豊田社長は矢面に立って非難を受け止めている。そのストレスは尋常ではないに違いない。
 前述の、川鍋社長がタクシードライバーをやろうとしていた時に反対していた人たちも、こういう非難を受けることを警戒し、会社や川鍋さんを思って反対していたのであろうから、責めるわけにはいかない。
 そんな中、反対を押し切るのは容易でなかっただろうと思う。反対があっても矢面に立つということはとても勇敢な行為であり、尊敬されるべき決断であると思う。
 「矢面に立つ」、これは私の好きな生き様の一つだ。
posted by 角田 健治 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ベンチャーキャピタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月21日

ペイントボール

 とてもおもしろかったです。
 パスポートを見せて米軍基地内に入り、退役軍人と一緒にサバイバルゲームなんて、なかなか衝撃的な体験でした。
 これは、いくら言葉を尽くして説明しても、実際にやってみないと分からないのではないかと思いますが、銃の戦いが自分の慣れ親しんだ拳や棒のケンカといかに違うのかを痛感しました。戦国時代に鉄砲が伝来した時、同じ衝撃が日本中に走ったに違いありません。まさにゲームのルールが変わったのだろうと思います。

 何が違うのか。

 強いて一言で言うなら、力や技の戦いから確率の戦いに変わるということです。
 もちろん、銃の戦いでも、射撃技術、戦略、チームワークはいくらか影響します。でも、それ以上に大きな影響力をもたらすのは、弾数と人数なんですよ。
 言いかえると、戦いを構成しているいくつかの要素には、戦いの結果にどのくらい影響するという重みがあって、その重みの傾斜が拳や刀の戦いと銃の戦いでは全く違うということです。
 一つ例を挙げると、体の大きさという要素は、肉弾戦では大きいほど有利に働くわけですが、銃撃戦では小さいほど有利なのです。ね?根本的に違うでしょう?
 理屈で考えれば当たり前のことも、実際に体験すると強烈な衝撃です。自分が銃撃戦でこれほど弱いとは、最初、とても納得できませんでした。机上の空論と生の経験の差ですよね。

 本物の兵士は、こういうシミュレーションを経験した上で実戦に臨むのでしょうが、シミュレーションをしたことのない者が行けば、一瞬で殺されるだろうと思いましたし、同時に、こんなに簡単に不意に受けるたった一発の銃弾で命を落とすと思うと戦場に出るのはとても言葉では言い表わせないほど怖いだろうと思います。
 自分は今まで銃をナイフと同じ程度にしか怖いと思っていませんでしたが、単なる無知だったことを思い知らされました。
SoldierKakuta.jpg
posted by 角田 健治 at 22:55| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月09日

11月26日、東京大学にて講演します。

60人ほどの小さなセミナーですが、講演します。学生相手ではなく、全国各地の大学で産学連携や大学発ベンチャーに関わっている大学教授など、立派な大人たちを相手に、自分がベンチャー投資の専門家として(「教える」とまでは言わないものの)語る立場になったことに、少し驚きもしますが、自分を抜擢してくれた勤務先の社長と東大の各務教授にとても感謝しています。せっかくかけてもらった期待に背かぬよう、しっかり準備して良い内容にします。


起業・大学発ベンチャーセミナー
11月26日(木)18:00-20:00
第3回「大学発ベンチャーのExitを考える」
18:00-セッション@「目指せグローバル企業」
新日本有限責任監査法人 公認会計士 中野圭介氏
あずさ監査法人 マネージャー 公認会計士 石原寛一氏
19:00-セッションA「白馬の騎士を惚れさせろ」
(株)エム・ヴィー・シー(三井ベンチャーズ) プリンシパル 角田健治 氏

場  所:東京大学 産学連携プラザ(本郷キャンパス内) 2階大会議室
参加費:無 料
定  員:60名
主  催:東京大学産学連携本部事業化推進部
事務局:本部産学連携グループ
http://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/kigyou/seminar/index.html
posted by 角田 健治 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ベンチャーキャピタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月17日

運命的な出会いってあると思う?

ある人が尋ねた。
「運命的な出会いってあると思う?」

ある人が答えた。
「自分がそこから何かを得ようとしさえすれば、全ての出会いが運命的な出会いになる。例え、一瞬、すれ違っただけだとしても。」
posted by 角田 健治 at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 語録 〜資本の部〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月04日

StrengthsFinder

数週間前に女友達から「StrengthsFinder」というものを勧められた。その時は「脳内メーカー」のような根拠のない占いサイトみたいなものかと思ったので、すぐにはやらなかったのだが、最近、親友のブログで取り上げてられていたので興味を持ってやってみた。結果は下記の通り。
 多くは、親しい人が見れば「そう、その通り!」と言いそうなくらい、普段から自他共に認めている内容なのだが、見方によっては長所とも短所ともなりうるようなことも、これだけ良い面にだけ光を当てて指摘されると、何だが自分がすごく才能に溢れているように見えて気分が良い。それが流行っている本当の原因ではないかという気もするが、何はともあれ、一つ自分にとって良かったことがあった。
 私は平均的な人よりも他人と摩擦を起こすことが多い。これを私の短所として指摘する人もいる。しかしこれは、StrengthsFinderで「指令性(command)」とされている、「対決を恐れない」性格によるものだ。そして、StrengthsFinderはそれさえも短所ではなく、長所となりうる資質(原語では「theme」)だという。ありがたい話だ。
 大したことではないが私の最も強い資質である「自我」、原語では「significance」となっている。日本語で「自我」というと「エゴ」とか「自己中心的」なイメージが強く、ちょっとネガティブな響きを孕んでいるように思うのは私だけだろうか?もう少しポジティブな「存在意義」とかに訳して欲しかったと思う。

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Clifton StrengthsFinder

次は、StrengthsFinderの結果に基づいて導き出された、上位5つの資質です。

StrengthsFinderでは、The Gallup Organizationが定める34の資質の存在を測定します。これらは、優れた業績を予測するための確実で安定した指標であるとされています。個人の持つ優れた資質は、日々の行動に自然と表れるものです。その資質が強いほど、行動に表れる傾向も強くなります。

その人が本来持つ強力な資質に注目することで、それらの資質を強みの基礎として活用し、ほぼ完璧な形で一貫した能力を発揮し、仕事、学術、プライベートの面で成果を上げることができます。


自我

あなたは、他人の目にとても重要な人間として映りたいのです。もっとはっきり言えば、あなたは認められたいのです。あなたは聴いて欲しいのです。あなたは目立ちたいのです。あなたは知られたいのです。具体的には、あなたの持ち前の強みによって人に知られ、評価されたいのです。あなたは、信頼でき、プロフェッショナルであり、そして成功している人として、尊敬されたいと感じています。同時に、あなたは信頼でき、プロフェッショナルで、成功している人とだけつきあいたいのです。もしそういう人でないと、あなたは彼らがそうなるまで圧力をかけるでしょう。彼らがそうならないなら、あなたは彼らを置いて先へ進むでしょう。独立心の強いあなたは、仕事を単なる仕事そのものではなく、自分の人生そのものにしたいと考えています。そしてその仕事の中で、好きなようにやらせて欲しい、又は自分のやり方でやるための余地を与えて欲しいのです。あなたのこのことに対する熱い思いは非常に強く、あなたはこれらを実現しようとします。ですからあなたの生活は、強く求める目標、成果、地位であふれています。何に焦点を当てていようとも――一人によって異なりますが――あなたの「自我」という資質は、中途半端から優秀な状態へとあなたを向上させ続けます。これが、あなたをより向上させ続けている資質なのです。


コミュニケーション

あなたは説明すること、描写すること、進行役を務めること、人前で話すこと、書くことが好きです。これにはあなたのコミュニケーションという資質がよく現れています。アイデアはアイデアに過ぎません。事実は、その時々に起こったことに過ぎません。あなたは、それに命を吹き込み、活力を与え、刺激的で生き生きとしたものにしなければならないと感じます。そこであなたは、「単なる事実」を「物語」に転換させて、それを上手に語ります。単なる「アイデア」を取り上げ、イメージと具体例と比喩を使って生き生きとさせます。あなたは、たいていの人は集中力が続く時間がとても短いと思っています。彼らは情報の洪水に見舞われていますが、情報はほとんど頭に残っていません。あなたはあなたが伝えたい情報を――それがアイデアであろうと、事実であろうと、製品の特性や特徴、何かの発見、あるいは教訓であろうと――人々の心に残したいと考えます。あなたは彼らの関心を自分に向けさせ、捉えて放さないようにしたいと思っています。あなたが、最適な言い方を探そうとするのはこのためです。あなたが、ドラマチックな言葉や力強い言葉の組み合わせを使おうとするのは、このためです。人々があなたの話を聴きたがるのはこのためです。あなたの言葉で描かれたイメージは彼らの興味をそそり、彼らの見方を刺激して行動へと啓発するのです。


戦略性

戦略性という資質によって、あなたはいろいろなものが乱雑にある中から、最終の目的に合った最善の道筋を発見することができます。これは学習できるスキルではありません。これは特異な考え方であり、物事に対する特殊な見方です。他の人には単に複雑さとしか見えない時でも、あなたにはこの資質によってパターンが見えます。これらを意識して、あなたはあらゆる選択肢のシナリオの最後まで想像し、常に「こうなったらどうなる? では、こうなったらどうなる?」と自問します。このような繰り返しによって、先を読むことができるのです。そして、あなたは起こる可能性のある障害の危険性を正確に予測することができます。それぞれの道筋の先にある状況が解かることで、あなたは道筋を選び始めます。行き止まりの道をあなたは切り捨てます。まともに抵抗を受ける道を排除します。混乱に巻き込まれる道を捨て去ります。そして、選ばれた道――すなわちあなたの戦略――にたどり着くまで、あなたは選択と切り捨てを繰り返します。そしてこの戦略を武器として先へ進みます。これが、あなたの戦略性という資質の役割です:問いかけ、選抜し、行動するのです。


指令性

指令性という資質によって、あなたは主導権を握ります。他の人と違い、あなたは自分の考えを他人に押しつけることを苦痛とは感じません。それどころか、ひとたび考えが固まると、あなたはそれを他の人に伝えずにはいられません。ひとたび目標が定まると、あなたは他の人をそれに同調させるまで安心できません。あなたは対決に怯えることはありません。むしろ、対決は解決策を見つけるための第一歩であることを知っています。他の人は不愉快な状況に立ち向かうことを避けようとするかもしれません。ところが、「事実」や「真実」がどれだけ不愉快なことであろうとも、それを示さなければならないと感じます。あなたは、課題が人々の間で明確に理解されていることを求めます。従って、あなたは人に、偏った考えを持たず正直であることを要求します。あなたは彼らにリスクに挑戦することを迫ります。彼らを怖がらせることすらあるかもしれません。これを嫌ってあなたのことを頑固と呼ぶ人もいるかもしれませんが、一方で、進んであなたに主導権を握らせることもしばしばあります。人々は、立場をはっきりと示し、周りの人にもある特定の方向に向けて行動するように求める人に魅力を感じます。だから、人々はあなたに惹きつけられるでしょう。あなたには強い存在感があります。あなたは指令性を備えた人です。


責任感

あなたは責任感という資質により、自分がやると言ったことに対しては何でもやり遂げようという強い気持ちを持ちます。それが大きかろうと小さかろうと、あなたは完了するまでそれをやり遂げることに心理的に拘束されます。あなたの良い評判はそこから来ています。もし何かの理由であなたが約束を果たせない時、あなたは相手に対してそれを何らかの形で埋め合わせる方法を無意識に探し始めます。謝罪では十分でありません。言い訳や正当化は問題外です。あなたは埋め合わせが終るまで、生きた心地がしません。このような良心、物事を正しく行うことに対する強迫観念に近い考え、非の打ち所がない倫理観、これらがすべてあいまって「絶対的に信頼できる」という高い評判を生み出すのです。人が新しい責任を誰かに任せる時、まずあなたに目を向けるでしょう。あなたがその責任を必ず果たすことを知っているからです。人々があなたに助けを求めてくるとき――すぐにそうなるでしょうが――あなたは選ぶ目を持たなければなりません。進んで事に当たろうとするあまり、できる範囲以上に仕事を引受けてしまう場合もあるからです。
posted by 角田 健治 at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月02日

功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ。

  昨年の終わり、投資先企業の社長が自社の研究部長を取締役にしたいと言ってきた。私は、そのこと自体は何ら問題ないと思ったが、一応、理由を聞くことにした。彼は、その研究部長にはこれまでにあんな功績やこんな貢献があると説明し始めたが、それらの功績や貢献のどれもが取締役にする理由にしては小さ過ぎるように私は感じた。しかも、歯切れが悪い。
  何かおかしい。
  そう思った私は、「昔から『功ある者には禄を与えよ。徳ある者には地位を与えよ。』という言葉があります。その研究部長の貢献にはボーナスか昇給で応えてあげても良いのではないですか?」と、言ってみた。すると、投資先の社長は急に真剣な口調になり、「実は・・」と本当の意図を話し始めた。
  その会社では、社員の過半数が研究員であったが、社外取締役に大学教授がいる以外、研究部門出身の取締役がいなかった。近々、新たにCFOとなる人物を取締役に加えようとしているが、研究部門の意見が通りにくくなるのではないかという不安が社内に広がっている。その対応策として、研究部長を取締役に加え、バランスを取りたいのだという話だった。その研究部長の研究員からの人望は確かだというので、納得した私は、「賛成」の委任状を出すつもりだと告げた。
  『功ある者には禄を与えよ。徳ある者には地位を与えよ。』
  この言葉は、私がプロクター・アンド・ギャンブルを退職した後、理想的な組織を作る方法を求めて、いろいろな人と話し、様々な書籍を読むうちに、最終的に行き着いた「褒章制度」である。ところが、この考えに行き着いたとほぼ同時に、それが途方もなく昔から伝えられている「人事の基本」だったことを知って愕然とした。
  日本では、西郷隆盛の言葉だとか織田信長の言葉だとか言われていることが多いらしい。しかし、これは、中国最古の歴史書である「書経」に『徳さかんなるは官をさかんにし、功さかんなるは賞をさかんにす。』という言葉で記されている。実在が確認されている中国最古の王朝である殷の創始者・湯王の時代、臣下が湯王へ献策した時の言葉らしいのだ。実に紀元前1600年、今から3600年も前のことである。
  書経は儒教の主要な経典である「五経」の一つであり、日本では、少なくとも朱子学の影響を強く受けていた明治くらいまで、おそらくは第二次世界大戦末期くらいまで、ある程度の文化人であれば知らない人のいないくらいの書物であっただろうと思われる。ところが、第二次世界大戦以降の日本では、戦前教育への反動から、儒教や朱子学を学ぶ人は激減し、次第に忘れられていたようだ。実際、上述の投資先の社長も還暦を超えた人物だが知らなかったと言っていた。
  私がこの言葉にたどり着けたのは、実は、GEにいたJack Welchの「能力と意欲あるものにはチャンスを与え、成果と貢献のあった者には報酬で応えよ。」という名言に出会ったおかげだ。この言葉に似たことが日本でも古来から言われているということが、東洋と西洋の共通点をテーマに取り上げていた本だったか雑誌の記事だったか忘れたが、そういったものに取り上げられていたので知ることができた。
  まず、意欲を持ち、能力を磨こう。チャンスを与えられたら、成果を出し、貢献しよう。そして、ガッポリ報酬をもらうのだ。その間、じっくり徳を積み、やがてふさわしい地位につけば良い。
  そんな事を考えていて眠れないまま、年を越してしまった。
posted by 角田 健治 at 00:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 語録 〜負債の部〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月05日

資本政策は会社のDNA

OGI先輩の言葉。
  多くの人にとっては「資本政策」そのものが何か分からないと言われてしまいそうだが、要するに「誰にどのくらい株式を割り当てるか」という戦略のことで、同時に、資金調達の計画でもある。
  親会社、子会社という呼び名にも現れているが、企業(特に上場していない未公開企業)にとって、誰が株主であるかというのは極めて重要なことであり、その会社の姿形や性格に多大な影響を与える。そのことを経営者に意識させたいシーンで用いる言葉。
posted by 角田 健治 at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 語録 〜負債の部〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月21日

ウォームビズ苦戦

http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/418284

  クールビズの半分の実施率らしい。政府のクールビズ推進活動は「成功」と呼んで良いと思うが、クールビズが成功したからと言って、クールビズと同様の取り組み程度でウォームビズも成功すると考えるようでは、あまりにもマーケティングの基本がなっていない。

  クールビズが成功した背景には、ヒトという動物にとって「軽装の方がラク」という根源的なドライバーがある。もちろん、ビジネスシーンのカジュアル化を認める価値観が出来つつあるという時代のトレンドだとか、環境意識の高まりなどもドライバーなのだが、「軽装の方がラク」というドライバー以外はクールビズもウォームビズも同じ条件で普及率の違いを生む要素ではない。
  つまり、この結果は、暑い時に暑さに耐えなくて良いというのはユーザーニーズにマッチしていたが、寒い時に寒さに耐えなさいというのはユーザーニーズにマッチしないというだけのことを如実に表している。本来やりたくないことをやるという苦痛を強いるタイプのプロモーションをかけるなら、快楽を与えるタイプのプロモーションの何倍もの工夫と努力が必要なのは自明の論理だろう。
  とはいえ、25%まで普及させただけでも、結構健闘した方かもしれないとも思う。
posted by 角田 健治 at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ベンチャーキャピタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月28日

プレイステーション成功の鍵とは

先日、プレイステーション開発プロジェクトの中核メンバーだった人の話を聞く機会があった。

  当時はゲームが2Dから3Dへと移行する過渡期に当たるが、それまでのゲーム業界は任天堂とセガがハードウェア(家庭用ゲーム機本体)を作っていて、スーパファミコンを持つ任天堂が圧倒的なシェアを持っていた。そこに、ソニーからPS、松下から3DO、NECから○○(失念)、バンダイから○○(忘れた)などが発売され、一時的なハード乱立時代を迎えた。任天堂とセガも新機を出したが、最終的にゲーム業界新参者のソニーが勝利を収め、今に至る。
  これらのハード乱立初期、ソニーの勝利を予測した人は少なく、多くの人は任天堂が勝つと思っていた。その大きな理由の一つはソフトで、当時はセガを除く全ての大手ソフトメーカーが任天堂と強い結びつきがあり、3Dの次世代機になっても任天堂の地位は崩れないと思われたからだ。しかも、任天堂以外のハードは32ビット機(バンダイのみ8ビット、スーパファミコンは16ビット)で、任天堂が予定していた64ビット機(Nintendo 64)の方が性能で勝っていた。
  それにも関わらず、ソニーが勝ったのはなぜか。一般には、2強RPGの一角である「ファイナルファンタジー」を擁するスクウェアが任天堂と決別してソニー側についたのが引き金になったと言われている。それを見て、2強RPGのもう一角である「ドラゴンクエスト」を擁するエニックスがソニー側に付き、PSの勝利が決定的になった。この時の任天堂の失敗は、16ビットから一気に64ビットにしようとしたために、他社の32ビットマシンよりN64の発売が1年以上遅かったことだと言われている。待ちきれなかったソフトメーカーが離反した、というわけだ。
  さて、以上は一般に理解されているハードウェア競争の勝因と敗因だが、冒頭のPS開発者によると、もっと大事なことがあったらしい。

  当時のソニーにおいて、ゲームは社内ベンチャー的なプロジェクトだった。ゲームビジネスが「外れれば三振、当たれば場外ホームラン」のハイリスク/ハイリターンなものであることは今も当時も常識である。それゆえ、当時のソニーでは毎月PSプロジェクトを続行するかどうかの決裁を取っていたらしい。要するに、毎月の取締役会で一度でもネガティブな報告があれば、打ち切りになっていたかもしれない状態だったわけだ。
  PSのスペックなどが決まり、試作機ができた頃、開発チームの人たちはソフトメーカーを回ってPS用のソフトを作ってくれるよう売り込みに行ったが、「3Dで面白いゲームなんて作れない」「300万台売れたらもう一度来てくれ」と、どこも相手にしてくれなかったらしい。ソフトメーカーの立場からすれば、3Dゲームを作るのは2Dと比べ物にならないコストがかかるし、何台売れるか分からないハード向けのソフトを作るのも大きなリスクなので、そういう対応だったのは無理もない。
  このままソフトメーカーがつかずにPSプロジェクトは終わるのかと思った頃、東京ゲームショーが開催され、彼もそれを視察に行った。すると、会場の入り口で、つい2週間前にPS参入を断ったソフトメーカーの社長が彼を捕まえて「待ってたよ。例の次世代機、今すぐ商談をしよう」と言われたそうだ。当時はケータイもなく、何が起こっているのか訳も分からぬまま、近くのホテルの一室を借りて一通り話し終え、ゲームショーの会場に戻ったのは4時間後だった。そこで、ひときわ人だかりの出来ていたセガのブースを覗いて、初めて事態を理解したという。「バーチャファイター」だ。
  「バーチャファイター」はセガが開発した世界初の3D対戦格闘ゲームだ。当初はゲームセンター向けに作られたが、やがて家庭用に移植され、セガサターンの売上に大きく貢献した。この「バーチャーファイター」を見た上述のソフトメーカー社長が即座にPS参入を決意したらしい。社名は伏せていたが、たぶんカプコンかナムコだろう。カプコンはPS黎明期に「バイオハザード」をヒットさせ、ナムコは「鉄拳」で一稼ぎした。
  その後、このソフトメーカー以外にも複数のメーカーがPS参入を決めたことでPSプロジェクトが打ち切りにならずに済み、PSの発売決定へと至ったそうだ。つまり、そのタイミングで「バーチャファイター」が発表されていなければ、PSは発売さえされていなかった可能性が高いということであり、まさに「その時、歴史が動いた」わけだ。
  それにしても、PSは競合であるセガの新作発表によって助けられたわけで、セガ側から見れば何とも皮肉な話である。

  プレイステーション成功の鍵は、「バーチャファイター」。
posted by 角田 健治 at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ベンチャーキャピタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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